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千の祈り

なんだあ
ため息なんかついて

す、すいませんっ
私ったら無意識に...

不動明王さま
私、

私は、



____だから、゛私は゛何なんだ?!


は、はい。
私は今日も
何もしないで
終わってしまいました。
私の周りの人たちは仕事や趣味を素敵にこなしているというのに
私は仕事で失敗するわ、
これといった趣味もなく、
何かやりたいのに
何もやれなくて
結局、こんな状態がもうどれ程
続いていることか。
そんな進歩のない自分が
なんだか情けなくて


はっはっはっ。
あんた
そんなことで深刻になってたのか

そんなことって。

人は人。
あんたはあんた。
今のあんたはそれが最善の状態。
何もしないことも大事なことでもあるんだ。


(# ̄З ̄)


なんだ


その膨れっ面は.....

でも、それでも私はやっぱり
何かやりたい。
まだまだ欲望だらけの人間なんです!!


はっはっはっ

ったく、
仕方のない人だ


なら、明日
折り紙を用意するんだ

折り紙?

別に折り紙に興味はないんですけと


あれ、

あんた、今
何かやりたいのに何をやればいいのかも
わからない状態だったんじゃなかったっけ

    はい。

ならば
つべこべ言わず、明日から折り紙で鶴を折る!!!

は、はい!

ただし、ただ折るだけでは駄目だ
一折り、一折り
祈りをこめるんだ

祈り?

そうだ

祈りには力が宿る

祈りは誰もが生まれた時より
持ってくる大切な宝の一つ

祈りは自身はもちろんのこと
自分以外の存在へも
力を与えることができる

祈りは無限だ
どんな祈りであっても
過去や未来を縦横無尽に超えてゆく

1日一折り一つの祈り
まずは心を込めて自分のために

五日五折り五つの祈り
どんな祈りも遠慮はいらない

十日十折り十の祈り
まだまだたっぷり自分のために

五十日五十折り五十の祈り
どうだろう
少しは気持ちが変わってくるとは
思わないか?

百日百折り百の祈り
そうして
自身がもう充分だと感じることが
できたなら
今度はその尊き祈りを
周りの人たちの幸せへと
向けてみるのはどうだろう

百一日百一折り百一の祈り
愛すべき家族や友人、恩人たちへ

百五日百五折り百五の祈り
同じ時、同じ国に住む同志たちへ

二百日二百折り二百の祈り
同じ時代を生きる
海を越えた仲間たちへ

三百日三百折り三百の祈り
そうしてもう充分だというのであれば
今度はその尊き祈りを動物や植物、自然、
そして宇宙の幸せへと向けてみてはどうだろう

四百日四百折り四百の祈り
たとえ、その日、
あんたが何かに失敗したとしても

五百日五百折り五百の祈り
たとえ、その日、
あんたに辛いことがあったとしても

六百日六百折り六百の祈り
たとえ、その日
あんたが悲しかったとしても

七百日七百折り七百の祈り
たとえ、その日
あんたが怒りでいっぱいだったとしても

八百日八百折り八百の祈り
たとえ、その日
あんたが
世界から傷つけられたとしても

九百日九百折り九百の祈り
たとえ、その日
あんたが
世界を傷つけてしまったとしても
鶴に祈りを込めて折るその数分は
あんたの本質である無垢で美しい光を
思い出す大切な時間
それは永遠をもかなわない

そして、
千日千折り千の祈りを終えるころ
きっと

あんたの世界は変わるだろう




んあ、いつの間にか眠っちまったのか
ったく、



可愛い人だ


それから

あんたはまだ一つ

思い出せてないことが
あるようだな


あんた方がこの世に生まれた時点で
すでに
この宇宙は救われているんだよ



生まれて来てくれて
ありがとう

そして、
今を一生懸命に生きてくれて
ありがとう

f:id:sationi:20160705215517j:plain(c)2016 三粱世鬼