誰が為に

私は欲張りです。

 

一つで二度おいしいものが大好物。(いろいろな意味が含まれます。)

 

例として、ガーデニングでしょうか。

草花の成長を目で見るよろこび、

育てるよろこび、

そして、野菜などは味わうよろこびもあります。

 

 その中でもハーブはまたうれしいものです。

 

小さなかわいらしい花を見せてくれましたり、

とても心地の良い香りを放ってくれましたり、

お料理の味を良くしてくれましたり、

体の調子を整えてくれましたりと

欲の深い私を満足させてくれるのです。

 

イタリアンパセリは私の好きなハーブの一つでありまして、

普通のパセリより食べやすく、パスタやサンドイッチ、

お弁当の色味にも大変、役に立ち、

おまけに栄養もあります。

今年もそのよろこびを体験したく、

去年の秋に種植えをしたのですが、春まで芽が出ず、

あきらめて大きなプランターに土をまとめて入れてしまいました。

が、その後に、これも芽が出なくてあきらめていたキンギョソウ

一緒に芽を生やしてくれ

立派な株となってくれまして、収穫を楽しみにしていました。

 

が、一変。そうもいかなくなってしまったのです。

  

 

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こちらはキアゲハの幼虫です。

それは、何年か前とデジァブな光景でした。

しかし、今回の主人公は私でなく、最近、ガーデニングブームの妹です。

 

妹はこれはいかんと動きだします。

毎日の観察はもちろん、ネットでキアゲハの生態を調べたり・・・

(私はここまでしませんでした。いい加減なもので)

 

その甲斐がありまして、たくさんのキアゲハの幼虫は順調に成長したのはよかったのですが、

今度はキアゲハの主食であるイタリアンパセリが足りなくなり、ホームセンターを巡り

イタリアンパセリを大量購入。

サナギになるときはどこかに行ってしまうんだって。

と、ネットに載っているように、ほとんどが最後は姿をみせなくなり、

どこかでサナギになってるよね。と、少し悲しそうにしている妹の目の前に

今度は別の幼虫が現われたのです。

調べると、それはアオスジアゲハの幼虫。

妹が庭で雑草を抜いてる時、目の前のこぼれ種から生えたであろうクスノキ科のまだ数センチしかない枝にサナギになる準備をしているのをちょうど見つけてしまったそうです。

まわりに何もなく、なんだかほっとくことができなかった妹はもう少し大きい別のクスノキ科の葉っぱに移動させたのです。

同じ事が続くのはやはり、その人がその世界を見つめているからなのでしょうか。

それとも幼虫がその姿を見せてくれるからなのでしょうか。

その後も庭の雑草抜きをしていると、別のところでアオスジアゲハの幼虫を二匹見つけたのですが、一匹はアリに・・・

それが自然の在り方なのですが、妹はもう一匹をそのままにすることができなかったようです。

その子も一匹目と同じクスノキ科の葉っぱへ移したのでした。

妹はさっそくネットでアオスジアゲハを調べます。

その知識を妹は私に時々教えてくれるおかげで、この年でも知らなかった事を私も知ることができました。(例えばアゲハも種類によって食べる葉が全然違うことなどです。)

毎日の観察はかかしません。

 

それから・・・

 

二匹目に保護した方はやはり命の危機を体験していたからかなのか、まだ体が小さい内にサナギになりました。

一匹目に保護した方はのんびりやさんなのか食欲もりもりで、まだ、サナギになる気配はなく、サナギになった子がくっついてる葉まで食べてしまう勢いでしたのでサナギの子は室内に保護されました。

これはまた葉っぱが足りなくなくなるのではと心配していたところ、一匹目の子が無事サナギとなりました。

室内に保護されたサナギは、ダンボールにくっつけた小さい紙で作ったとんがり帽子のようなもので落ちないように固定し、乾燥しないように時々霧吹きをかけてあげるのです。

外のサナギの子はキアゲハの時と同じように姿をみせなくなりました。

そして、室内の子はと申しますと、

サナギから二週間くらいでだいたい蝶になるということでしたが、

そんな変化は見られなく

妹以外の家族は内心大丈夫かな、と思っていたのが正直なところでしたが・・・

 

 

ちょうどお墓参りに行く日のことでした。

 

サナギから脱皮した蝶を見ることができたのです。

 

きれいな青をしたアゲハでした。

 

 

あの驚きと感動を家族みんなで味わうことができたこと。

忘れません。

 

実は今も第二群のキアゲハの幼虫とサナギがいます。

寒くなり無事サナギになれる幼虫が少ないです。

妹の心配事はもう少し続きそうです。

 

彼女も、本当は、自然にわたしたちが手を出してはいけないことはわかっています。

そして、時に家族の冷ややかな視線も浴びました。

それでもやりきって、見事に蝶を大空へ飛び立たせました。

それは事実なのです。

私は、そんな妹がすごいなと思いました。

 

最後のこの子たちも無事、飛び立つことを願い、

来年はイタリアンパセリはもういいと複雑そうな顔をする妹に

 

幸あれ。